美容皮膚科コラム
円形脱毛症の原因とは?<br>円形脱毛症の種類と生活指導

円形脱毛症の原因とは?
円形脱毛症の種類と生活指導

円形脱毛症とは

円形の脱毛斑が頭部、毛髪部に突然生じる病気です。毛包組織に対する自己免疫疾患と考えられており、0.1-0.2%と比較的高頻度に生じます。疲労や感染症などの肉体的、精神的ストレスがきっかけで起こることがありますが、明らかな誘引がなく起こることも多いです。中にはアトピー性疾患、橋本病をはじめとする甲状腺疾患、尋常性白斑、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、重症筋無力症などが合併することがあります。病変部の毛根は膨らみがなく、先の尖った*感嘆符毛(カンタンフモウ)となります。直径は2〜3cmの円形ないし卵円形で通常は単発性でありますが、多発する例もあります。

円形脱毛症の分類

脱毛症状により

  • 通常型 円形脱毛症 ① 通常型(脱毛斑が単発のものを単発型、複数の脱毛班を認める多発型に分けられる)
  • 全頭型 円形脱毛症 ② 全頭型(脱毛斑が全頭部に拡大したもの)
  • 汎発型 円形脱毛症 ③ 汎発型(脱毛が全身に拡大するもの)
  • 蛇行型 円形脱毛症 ④ 蛇行型(頭髪の生え際が帯状に脱毛)に分けられます。
円形脱毛症の種類

円形脱毛症の治療

治療は軽症にはステロイド外用や塩化カルプロニウムの外用が中心となります。セファランチンの内服を併用します。
活動性がある場合はステロイドの局所注射を行うこともあります。頻度は月に一回程度とし、副作用として皮膚の陥没が出現しないように注意します。局所免疫療法といってかぶれを起こさせ皮膚の免疫バランスを変える方法、ステロイド外用、ナローバンドUVB、エキシマライトといった紫外線療法を行うこともあります。

円形脱毛の生活指導

ストレス過多の時代、円形脱毛症の患者さんも増加傾向にあります。ビタミン・ミネラルを溜めない生活を工夫しましょう。アトピー 性皮膚炎や自己免疫疾患が背景にある場合は原疾患の十分な治療が必要です。

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監修

渡邊千春 千春皮フ科クリニック理事長・総院長
渡邊千春 千春皮フ科クリニック理事長・総院長
渡邊 千春 千春皮フ科クリニック理事長・総院長

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医/AMI Japan Senior Trainer(アラガン社指導医)/日本胎盤臨床医学会理事、その他多くの学会に所属し、皮膚医療・美容医療について研鑽しています。自らが幼少時代アトピー性皮膚炎だったことから、肌に悩みを持つ方々のお悩みに対して、少しでもお力になれればと考えております。