ニキビ痕を残さない治療
皮膚科・美容皮膚科で行うニキビ治療
ニキビの症状
日本人の90%が経験しているニキビは、毛穴に皮脂が溜まってできます。平均発生年齢は13.3歳で男女差はありません。有病率の70%以上は10代~20代でピークとなりますが20歳以上においても男性では40%、女性では50%以上の方が思春期後ざ瘡へ移行し、大人ニキビと呼ばれています。
ニキビの発症には皮脂、角質異常、ニキビ菌、炎症が相互に作用します。
ニキビの出来始めは毛孔が閉塞した閉鎖面皰(白ニキビ)と毛孔が開いて溜まった皮脂が黒く見られる開放面皰(黒ニキビ)があります。
ニキビ菌(アクネ桿菌)は皮脂を好み面皰(コメド)の中で増殖し炎症を起こす物質を作ります。炎症が起こるとニキビは赤く盛り上がり(赤ニキビ)膿が溜まると膿疱となります。さらに炎症が拡大すると皮脂に袋を作って嚢腫や硬くて盛り上がる硬結となります。炎症の状態や程度によっては組織が破壊されて凹凸したニキビ痕となるため早い段階で治療することが大切です。
ニキビのできやすい部位
皮脂腺の発達している顔、前胸部、上背部はニキビができやすい部位です。顔では、Tゾーン中心にできることが多く、大人ニキビは思春期のニキビと比較して顎に多いなど分布に違いはありますがホルモンやストレスなども大きな要因となっています。
日常生活で気を付けること
ニキビは性ホルモンの影響や間違ったお手入れ、不規則な生活、ストレスなども影響していると言われています。
食事
バランスのとれた食事をとり腸内環境を整え便通を整える 特定の食品がニキビを改善または悪化するという根拠はありませんが1日3食の規則正しい食生活を心掛け間食は避けましょう。中でも積極的に補いたいのはビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCです。
睡眠
睡眠不足によりニキビが悪化することがあります。
洗顔
余分な皮脂と汚れを落とすために冷たい水での洗顔は避け、ぬるま湯で洗顔を行いましょう。また、よく泡立てた泡で優しく洗いすすぎ残しのないようにしっかりとすすぎ、タオルでこすらずふき取るようにしましょう。洗顔の際にはニキビをつぶさないようにしましょう。
日焼け止め
色素沈着防止のためにもUVケアは重要です。毛包を塞がないタイプのノンコメドジュニックの日焼け止めを使いなるべく頻繁に塗り直しましょう。
ニキビ痕(ざ瘡瘢痕)を残さない治療
ニキビ治療の最終ゴールはニキビ痕を残さないことです。そのためには早期から治療を開始しニキビの再発をコントロールすることが最も大切です。
※ ざ瘡瘢痕=ざそうはんこん
治療期間の目安
短期的な目安(急性炎症期)としては3ヶ月、長期的な目安(寛かい時期)は1年以上が治療期間に目安になります。
お薬の選択
急性炎症期のニキビ(面皰が主体)
⦿ 面皰が主体の時
面皰は毛穴の閉塞と皮脂分泌が多量になり、皮脂が毛穴の中にたまることでできます。そのため、毛穴の閉塞を除去する薬剤が用いられます。
⦿ 急性炎症期のニキビ(紅色丘疹・膿疱が主体)
紅色丘疹・膿疱は、毛穴の中で増加したアクネ菌が炎症を起こす物質をつくることができます。そのため、アクネ菌の増殖を抑える約次亜や炎症を抑える薬剤が用いられます。
※ 面皰=めんぽう 紅色丘疹=こうしょくきゅうしん
維持期のニキビ
眼に見えない微小面皰や面皰を抑えることにより紅色丘疹や膿疱をできにくくすることができます。面皰の新生を抑える薬剤が用いられます。
すぐに効果が現れなくても根気よく治療を続けることでニキビができにくい肌を目指すことができますので医師の指示通り治療を続けましょう。
ニキビの漢方治療
皮膚は内臓を写す鏡と言われているように体内の調子と肌の調子は深くかかわっています。千春皮フ科リニックでは皮膚疾患の診察の中で特にニキビの診察においては年齢や性別、体格、肌質、生活習慣などの背景も考慮して治療にあたっています。漢方治療は根本的な原因や体質を改善させていくことを目的としており、症状そのものを抑える治療と併用して行っています。
ニキビの治療で用いられることが多い漢方薬
⦿ 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
体力中等度以上で、赤ら顔、ときにのぼせのある方のニキビ、顔面の充血性のニキビ
⦿ 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒い方のニキビ、慢性期の化膿傾向を伴った青年期のニキビ
⦿ 桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)
比較的体力があり、肩こり、頭重、のぼせて足冷えなどがある方のニキビ、月経に伴い悪化するニキビや皮膚の乾燥、シミ・そばかすなどがある場合
⦿ 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
初期のニキビ、小さな膿疱が散発するタイプのニキビ
千春皮フ科クリニックのニキビ治療のこだわり
千春皮フ科クリニックでは「ニキビ外来」として、ニキビの病態や外用剤の正しい使い方の説明、役立つニキビコンテンツのご案内、生活指導などを丁寧に行っております。
スキンケアで何を使ったら良いかとのご質問も多く、千春皮フ科クリニックオリジナルのニキビスキンケア商品を併用いただくこともお勧めしています。
千春皮フ科クリニックのニキビスキンケア
⦿ スキンピールソープ1,800円
表皮や毛穴に残った汚れや古い角質をマイルドに取りさり、肌本来の機能をサポートします。
⦿ アクネローション(シーバムローション)120ml 3,000円
余分な皮脂や角質を取り除き、VCローションの導入を助けます。
⦿ 高濃度VCローション30ml 3,300円
水溶性ビタミンCを10%配合し、活性酸素を中和して、ニキビの炎症を抑え、アクネ菌の働きを防ぐ作用があります。ニキビ跡の色素沈着にも効果的です。
⦿ マルチビタミンジェル30g 2,000円
ビタミンA 、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEといった抗酸化ビタミンに加え、抗酸化力があるアスタキサンチンを豊富に配合した保湿ジェルです。抗菌抗炎症作用のあるティーツリー葉油が敏感肌やニキビ肌に有効です。
*上記にはトライアルセット(アクネスターターキット 1,500円)があります。
千春皮フ科クリニックのニキビ治療
千春皮フ科クリニックでは、保険治療をベースとして保険適用外のニキビ治療も行っております。
より早く綺麗にニキビを直したい方、保険処方外用剤の副作用で乾燥する、赤くなる、ヒリヒリするなどのストレスを回避したい方、ニキビだけでなくニキビ跡も気になる方にお勧めです。
ネオジェンによるプラズマ治療
YAGアクネ
スペクトラピール
よくある質問
- Q.ニキビをひっかいて潰してしまいました。どうしたらいいですか?
- Aニキビのでき始めは角質が厚くなったり皮脂の分泌が亢進し面ぽう(コメド)を形成することからはじまります。これにアクネ桿菌が作用して炎症を起こしてくると、赤ニキビや膿のたまった黄色いニキビとなります。炎症が毛包の外にまで及ぶと周囲の組織の破壊が進んでニキビが治ったあとも凸凹したニキビ跡となり、残ってしまうことがあります。
ニキビを自分で潰すことはこういった炎症を悪化させることがあるためお勧めできません。
もしも潰してしまったら患部を清潔にして抗生物質を含んだ軟膏をぬりましょう。赤みが強く、膿を伴っているようなら皮膚科を受診しましょう。
- Q.部活で日中日差しの下にいます。防ぐ方法はありますか?
- A紫外線により活性酸素が発生してニキビの炎症を助長させてしまったり、ニキビ跡がシミになりやすくなったりするため、日焼け止めを上手に使用して肌を守りましょう。
日焼け止めは「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記されているもの、つまりニキビのもととなるコメドが出来やすい成分を含まないものや低刺激のものがおすすめです。
飲む日焼け止めを併用するのも良いでしょう。
- Q.薬局の洗顔や塗り薬ではダメですか?
- Aニキビのスキンケアで大切なのは肌の清潔と適度な保湿、紫外線ケアです。市販のものでも肌にあった洗顔料やスキンケア製品の使用は問題ないと思います。ただし、長期的にニキビ跡を残さないためには早めの正しいケアが必要です。自宅でのスキンケアにいきづまったら、自己判断でこじらす前に皮膚科を受診しましょう。
- Q.ニキビでピリピリしない化粧品ってありますか?
- A
「ノンコメドジェニックテスト済み」の低刺激のスキンケア製品を使用しましょう。ニキビ用の化粧品として、ビタミンC含有ローションは抗酸化作用を有してアクネ桿菌の働きを抑えますが、使用時にはすこしピリピリすることがあります。またピーリング作用があるサリチル酸やグリコール酸を含んだ化粧品も刺激感があります。十分に注意して使用しましょう。
ニキビ治療中も適切な保湿は必要です。とくに保湿剤は刺激の少ないものを選びましょう。
またニキビ治療の外用剤の中でもピリピリするものとしないものがあります。
ニキビの外用剤は大きく分けてアクネ桿菌に対する抗生物質軟膏と、角質を除去して毛穴をきれいにするアダパレン、過酸化ベンゾイルを主成分とした外用剤に分けられます。
前者は刺激感がなく使用できますが、後者は肌の代謝を上げる性質上使用始めた2〜3週間はピリピリする、乾燥する、赤くなる、痒みが出るなどの副作用が出ることが多くあり自己判断で外用を止めてしまう患者さまも多くいらっしゃいます。これらの症状は適切な外用方法と保湿剤を使用することで改善することができます。千春皮フ科クリニックのニキビ外来では、初診時にしっかりとニキビの病態、外用剤の特性、使用方法を説明し、2回目の受診は患者さまが正しく外用できているかサポートするために、1〜2週間後に必ず受診してもらうことをお伝えしています。